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【働くキョウタナビト】株式会社ワークヴォックス 代表取締役 小松紀一さん

[2021年10月5日]

ID:74

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現在、車は、さまざまな利用方法や、生活スタイルに応じたいろんなタイプがあります。そして、車や車の空間は、使う人にあわせて、より快適な使い心地の良いものに変えることもできます。 

2005年に創業した株式会社ワークヴォックスは、社会の一人ひとりに役立つ、様々な目的に応じたクルマ・製品を開発設計から製造までされている会社です。京田辺市草内にある本社を中心に、車をただの移動手段ではなく空間と捉えて、はたらくクルマ、遊びのクルマ、そして人にやさしいクルマを創り出されています。

代表取締役 小松紀一さん

株式会社ワークヴォックス 代表取締役 小松紀一さんにお話をお伺いしました。

事業を始められたきっかけと経緯を教えてください。

私は、学校卒業後、オフィス家具メーカーに就職して、10年間、営業職として働いていました。会社の入るビルなどの建物のオフィス空間に配置するデスクや食堂、更衣室などを図面にレイアウトして、そこに合う家具を設計し、販売していましたが、28歳頃、仕事の昼休みに会社のデザイナーがCAD(※1)で、自分の車の後部空間にベッドを造作する図面を作っているのを見て、カルチャーショックのようなものを受けました。というのも、自分はオートバイにも乗れない頃から、自転車にテントを担いであちらこちらに行くほどキャンプが大好きだったからです。そして、書店で雑誌を見たり、近くのキャンピングカーの製造販売店へ実物を見に行ったりして、キャンピングカーの空間をデザインする仕事がしたいと思いました。同時に、自分がその車に乗りたいのと、仕事も面白そうだからというのもこの仕事を選んだ理由です。

まず、生まれが枚方なので、関西に戻って、京都のキャンピングカーの専門店に転職しました。その会社は20人ほどの従業員規模だったので、いろんな仕事をして、いろんなことができました。それから、ディーラーの系列の会社に転職して新部門として、キャンピングカー専門の部門を立ち上げていただきました。そこで、お客様の目的に応じたプランから設計する100%オーダーメードのキャンピングカーを作っていたのですが、いろいろな思いが募って、その10年後、独立して2005年に夫婦で、京田辺市の自宅で、同業他社の要望に合う車の部品やシートをメインに作り始めることにしました。

(※1)CAD:「キャド」と呼ばれ、「Computer Aided Design(コンピューター支援設計)」の略でコンピューターによる設計システムの総称です。

御社のものづくりについて教えてください。

自社ブランドでは、「セドナ・バンライフシリーズ」としてトヨタのハイエースの商用バンをベースに主にインテリアをデザインした車を作っています。また、全国大手車両メーカーや車のカスタム事業者の依頼を受けて、車のシートや内装関連の製品をOEM生産(※2)しており、特にシートは全国で約7割のシェアをもっています。

当初は、主に車の後部シートやベッドキットを販売していたのですが、長年、お付き合いのある同業者さんや仕入れ先事業者さんの要望もあって、いろいろな車内の内装関連の製品も手掛けるようになりました。

そのため、当初は自宅の一部を事務所と作業場としていましたが、業務内容の拡大で京都府八幡市の工場を約2年借りた後、京田辺市大住に工場を持ち、2017年に草内に本社を建てました。

当初は、一品一品、特注でキャンピングカーを作っていたのですが、今は、継続して量産できる車作りをしています。本社では、お客さんとなる全国の自動車販売店さんや車のカスタム事業者さんと打合せをして、要望に合う車を作ります。その構成部品の木や鉄板などの材料も、ゼロから全部、一個一個、加工、設計、デザインして、データ化して、実際に完成車を数台、製作して検証を行っています。そして、全国8カ所の各協力工場のスタッフさんへ施工研修会を実施して、各協力工場でこの施工マニュアルに沿って量産しています。すべての構成部品は本社より発送して、各工場へ直送した車体に取り付けて完成しています。このように一台を作るよりも量産する方が、難しいのですが、同じものをどこの協力工場で作っても同じクオリティーのものを作れるようにしています。

(※2)OEM生産:「Original Equipment Manufacture」の略で他社ブランドの製品を製造すること

製品を作られる上で大変だと感じる点はどのようなところでしょうか。

シートを作るのが、大変です。車のインテリアで一番安全性の基準を求められるのは、シートとシートベルトだからです。形は全部できても、いろいろな安全基準をクリアするための試験をしなくてはいけません。そして、このシート作りに約20年間、取り組んでいるので、従来のデザインから新しいデザインを考案して欲しいというお客様からの声もあり、それにも取り組んでいます。

あと、キャンピングカーは一台だけ作るよりも、同じものを量産化するのが難しいので、どの工場でも同じものを作れるよう設計をマニュアル化し、部品を用意し、品質を維持するのが大変ですね。

仕事で大切にされていることは何ですか。

扱っているものが、車なので、一番に安全性や確実性を意識して仕事に取り組んでいます。また、お客さんである、全国の自動車販売店さんや車のカスタム事業者さんとのやりとりを大切にしています。

社員へは、目標として、生産性の向上を数字で具体化して伝えています。そして、日々の業務の中で、何をすればいいか、常に考えることを大切にしてもらっています。


最後に今後の事業展開や抱負をお願いします。

今後は、災害対策用としての車が認知されて、その利用がもっと広がってほしいと思っています。車の利用は、働き方改革で利用されているオフィスタイプ等もありますが、災害対策用では、大規模災害や緊急時用等の避難場所等にも利用でき、顧客ニーズが多様化しているからです。

そのためにも、お客様の要望に合う設計や、精密機器のデザインや冊子作成等のできるデザイナーを増やしたいと考えています。また、2022年に本社の隣に物流の倉庫も兼ねて工場を建てるので、従業員を増やして、スピーディーな受注対応ができるよう生産性の向上を図りたいと考えています。

そして、これは夢なのですが、キャンピングカーはアメリカやヨーロッパにもありますが、ヨーロッパが日本に近いタイプなので、ヨーロッパにシートを輸出したいです。また、車の設計事務所を作って、多様な用途のあることを広く知っていただきたいと思っています。



モバイルオフィスカーの車内

SEDONA TYPE3(正しくはローマ数字の3)

インタビューを終えて

小松社長のお話から、お客様の声をカタチにしたクルマ創りは、部品一つ一つをゼロから作り、安全性、確実性を第一に、何年もかけて試験を繰り返して製品化され、量産化されていることが分かりました。そして、クルマの空間の利用は、使い方次第で、遊びのクルマ、はたらくクルマ、やさしいクルマになることができ、これからも、より一層、社会に必要とされ続けるものと思いました。

将来、クルマの空間の利用の方法が、より多くの人に広がって、国内に留まらず、ヨーロッパへの進出を考えられている社長の夢が実現されますことを期待しております。

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SEDONA LAKESIDE

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