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【働くキョウタナビト】コフロック株式会社 代表取締役社長 小島 望さん

[2023年9月4日]

ID:97

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地球を取り巻く環境は気体と液体です。それらを計測・制御、また発生させる技術は産業の発展に不可欠といえます。京田辺市草内にあるコフロック株式会社は気体や液体の流量計測・制御及び発生技術を活かし、例えば赤ちゃんの成長をサポートする保育器に酸素を送る流量計、袋に入っているポテトチップスの美味しさを保つための窒素ガス発生装置、ドリンクサーバーの中のお茶やジュースの濃度を調整する流量制御機器などを製造・販売しています。「流体を科学する」をモットーに、流体の微少流量域を主とした計測・制御技術を探求、お客様の様々な要望に寄り添うことを第一にした事業展開をされています。

コフロック株式会社の代表取締役社長 小島 望さん

コフロック株式会社 代表取締役社長 小島 望さん

コフロック株式会社 代表取締役社長 小島 望さんにお話をお伺いしました。

事業をはじめられた経緯を教えてください。

祖父が戦後間もない1949年に京田辺で創業し今年で74年になります。創業当初は京都の大手分析機器メーカーの下請けとして流量計のガラス管を研磨する仕事をしていました。そのことがきっかけとなり流量計メーカーとして歩み出します。最初はガラス管を利用した面積式流量計をつくりました。構造はいたってシンプル。目盛りを付けたテーパー状のガラス管の中にガラス玉を入れ、ガラス管にガスを流すとその中にある玉が浮くことで流量を計測できるというものです。社名であるKOFLOCは「コジマ フロー インスツルメンツ コーポレーション」の略で先代の「科学機器という先端を行く製品でもあるので英語でも通じるように」という思いが込められています。現在、京田辺市に本社と工場を構え、そのほか八幡市に工場、東京、名古屋、大阪、九州、上海に営業拠点があります。売上は国内、海外の内訳は75%、25%です。


京田辺本社と工場

京田辺本社・工場

どのような事業展開をされていますか。

大きく分けて2つの事業展開をしています。1つは京田辺市の工場で、気体や液体の流れる量を計測、制御する機器を製造しています。製品は分析や半導体業界を主に、医療や食品業界、また、大学や研究機関などの研究分野にも利用していただいております。あと1つは、八幡市の工場で、1990年代から本格的にガスの発生装置を製造しています。当社のガス発生装置は、消臭や脱臭に使う活性炭のような材料に外から取り入れた空気を吸着させて、用途に応じて窒素ガスや酸素ガスを取り出すものです。他に、空気から濃縮した酸素をオゾナイザーに送り、オゾンを発生させる装置を展開しています。

中央はマスフローコントローラ 右側は面積式流量計 スマートフォンはサイズ比較のため 

マスフローコントローラ(中央)面積式流量計(右)※スマートフォンとサイズ比較 

ガス発生装置のBOOSTAR (左)
屋外ガス発生装置のGENE-BASEシリーズ(右)
ガス発生装置「BOOSTAR」(左) 屋外ガス発生装置のGENE-BASEシリーズ(右)

取引先について教えてください。

取引先は国内外6000社に及びます。創業からしばらくのち、京都の大手分析機器メーカーとの取引で実績を積んだ当社は、そこで得た信頼から新たなお客様が徐々に増え、今ではあらゆる業界で製品を使っていただいております。

展示会のブース

展示会ブース

入社のきっかけとその当時から現在に至るまでの仕事内容を教えてください。

私は大学卒業後10年間、今とは全く別の分野で業界紙の記者、雑誌の編集の仕事をしていました。その後、妻との結婚を機にコフロックへ入社し、現在11年目です。学生時代は文系でしたので最初は物理と化学の勉強をしたり、先輩社員に製品を教えてもらいながら一営業マンとしてスタートしました。その後、本社に異動し海外を含め新規顧客開拓の営業部門などで経験を積みました。2015年に取締役就任、2019年に代表取締役社長に就任しました。

御社のものづくりについて教えてください。

創業当初からお客様の要望に寄り添う製品づくりをしております。当社は基本的に受注生産で営業がお客様の要望を伺うところからスタートします。工場では製品開発はもちろん、部材調達、その後の製造から出荷まで全て自社で一貫して行います。もちろん出荷後の品質の保証、アフターサービスにも力を注いでいます。

面積式流量計の生産現場

面積式流量計生産現場(左・右)

マスフロー生産ラインのクリーンルーム

マスフロー生産ライン クリーンルーム

製品を完成するまでの期間と取り組みについて教えてください。

市場のニーズをキャッチし、新製品を完成するまでに通常は約2~3年かかります。その他既存製品を改良したり、リニューアルしたりするケースもあります。新製品の多くはマーケットのニーズに基づいて開発するため、試作時にお客様に評価していただくこともあります。このプロセスを踏むことで、製品をきっちりつくりあげていくのです。開発部では年間約10件程度の開発テーマに取り組んでいます。

どのくらいの製品数を取扱いされていますか。

製品群としては大きく分けると流体計測制御機器、ガス発生装置、エンジニアリング装置、細かく分けるとフローメータ、流量制御バルブ、マスフローコントローラ・メータ、圧力制御バルブと窒素・酸素・オゾンなどのガス発生装置、ガス混合装置などがあります。例えば当社のベストセラー製品であるマスフローコントローラ「3660シリーズ」一機種をとっても流すガス種、継手、流量、圧力条件などの仕様をお客様の仕様に合わせて選んでいただくと何万通りの種類になります。

ベストセラー製品のマスフローコントローラ 3660シリーズ(左)と表示器付マスフローコントローラ・メータ 8700シリーズ(右)

ベストセラー製品であるマスフローコントローラ 3660シリーズ(左)

表示器付マスフローコントローラ・メータ 8700シリーズ(右)

従業員の採用や社内教育について教えてください。

京田辺本社・工場で働く従業員は京都、大阪、奈良の方が多いです。新卒の場合、地元の方だと親御さんの薦めがあったりもします。中途採用の方が割合としては多いです。開発部門は理系の方が中心ですが、営業や事務職は圧倒的に文系が多いです。先代も私も文系出身ですが、製品や技術については一から学んでいけば大丈夫です、と面接の時にお伝えしています。社内教育は基本的にOJTです。入社後しばらくは当社の製品を知るために製造現場での研修をします。今後も新卒採用は定期的に行い、営業職、技術職、事務職全般で採用する方針です。中途採用も必要なタイミングで職種別に募集しております。思考が前向きであること、チャレンジするという自主性を持っていること、そして会社という組織の中でチームワークを重んじ、感謝を忘れずに仕事ができること、これらが当社の求める人物像です。

最後に今後の事業展開や抱負をお願いします。

次世代を支えていく企業であり続けたいです。例えば地球環境、医療問題、いろいろな課題がありますが、我々の製品で社会に貢献できることを一生懸命考えて、ものづくりをしていきたいと日々取り組んでおります。大きな話にはなりますが「日本のものづくり」をもっと元気に、従業員と共にそれを陰から支えていけたらと思っています。

今後も創業から大事にしてきた「温故知新」の企業理念のもと、一緒に働く従業員の皆さんと共に喜びを感じられる瞬間が一つでも増えるよう、一人ひとりが自ら立つ、そんな会社でありたいと考えております。

八幡工場で働くみなさん

八幡工場のみなさん

インタビューを終えて

小島社長から 従業員の皆さんと共に、創業当初から大事にされている企業理念である「温故知新」を教訓に、お客様の要望に寄り添うものづくりを一つ一つ丁寧にしてこられたことをお伺いできました。また、私達の生活では、直接、目にすることのできない流体計測制御パーツやガス発生装置ですが、今後もあらゆる分野で利用され続け、地球環境への影響を配慮したものづくりで、世の中に大きく貢献され、益々飛躍されますことを期待しております。

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京田辺市役所経済環境部産業振興課

電話: (産業支援)0774-64-1364(商工観光)0774-64-1319

ファックス: 0774-64-1359

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