【働くキョウタナビト】オオクマ・ソリューション関西株式会社 代表取締役社長 古本活之さん
[2017年12月20日]
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オオクマ・ソリューション関西株式会社は、緑豊かな同志社大学京田辺キャンパスの一角にあるインキュベーション施設D-eggにオフィスを構え、電子機器の回路設計、パターン設計、ソフト設計から製作、信頼性・環境評価、保守、メンテナンスまで一貫で対応する「ものづくり企業」です。
今回はオオクマ・ソリューション関西株式会社の代表取締役社長古本活之さんに、京田辺市で起業するに至った経緯などをお聞きしました。
幼少時代を広島で過ごした古本社長は、ポケットコンピューターを買うために新聞配達のアルバイトをする堅実なパソコン少年でした。プログラムを組むのが好きだった少年は、いつしか起業したいと考えるようになり、呉にある高等技術専門校に進学します。そこでアナログ技術を中心に技術を身につけ、滋賀県の大手メーカーに就職されました。
2007年、夢の実現に向け、現在の親会社である熊本県の企業、オオクマ電子株式会社に転職されます。
企業理念は『社員一人ひとりが〝社員という事業の経営者〟である自立型集団をこころがける』。
いずれは独立、起業することを念頭に、〝社員を組織の一員として扱うのではなく、主体性を促し、自立性を養うこと,そして,人を求め・活かし・残すこと に力点を置く〟という環境で、技術者、経営者としての力を培われました。
2015年10月、同社の子会社として分離独立、前職から志を一にした同志とオオクマ・ソリューション関西株式会社を設立されました。
在職中から独立するならインキュベーション施設に入居したいと考えていた古本社長が、数ある施設の中から選ばれたのが同志社大学連携型起業家施設D-eggです。
決め手は自然が多く、二人の住居から平等に通えるエリアであること、なにより交通の利便性が高いこと。高速道路も利用しやすく、駅から近い。空港までのリムジンバスが出ていることもあり海外出張の際にも便利だそうです。
それだけではなく、気軽に相談できる環境であることもD-eggの魅力の一つと仰います。
D-eggでは中小機構、同志社大学、京田辺市と三つの機関が様々な支援体制を組み、起業、研究開発等のサポートを行っています。
インキュベーションマネージャーの支援が受けられること、他の入居企業と交流でき刺激になること等、快適に過ごされている様子が伺えました。
『物を売って終わり』という仕事ではなく、お客様の仕事を円滑に進めるにはどうしたらよいか、『お客様に喜んで頂きたい』を第一に考え、必要な技術の提供を枠に囚われることなく「まっすぐひたむきに」チャレンジする。企業名の〝ソリューション〟にはそんな思いが込められています。
「図面を描くことが必ずしも目的ではありません。お客様が抱える問題は常に最新の技術が必要というわけではなく、アナログ技術が最適な場合もあります。ソフト、ハードは手段の一つ。常にお客様にとって最適なソリューションを考える。それが最終的なミッションなのです。」
そこで生きてくるのがアナログ技術者としての経験です。デジタル時代だからこそ、これまで培われたアナログ技術のノウハウが強みになってくるのだと仰います。
こちらの写真は一見普通の眼鏡ですが、顔認証を利用したスマートグラスで、登録した情報と人物をわずか0.3秒で同定することができます。患者の取り違えを無くすにはどうしたらよいか。そんな医療現場の声から生まれたシステムです。
オオクマ電子株式会社とタイアップした事業を中心に進めていましたが、今後は顔認証を利用したお客様のニーズに対応するシステム作りにも力を入れていくため、展示会にも精力的に出展されています。
目下の悩みは人手不足。現在社員は二人+本社からの出向社員一人の計三人で、開発だけではなく営業やメンテナンスまで行っています。やりたいことはたくさんあるのですが、手が回らないという現状にソフトウェア設計の技術者を募集中ではありますが、思うような人材には巡り合えずにいます。
「この会社にいたら面白いことができる〝技術集団〟だと思ってもらえるような情報発信をしていかないとだめですね。この会社で働きたいと感じてもらえるような光るモノがあれば興味を持ってくれるはず。会社の魅力をアップすることがなにより大切なのだと思います。」
常に一歩も二歩も未来を見据える古本社長の言葉は、悩みすら前向きに力強く響きます。
「いずれは京田辺の駅周辺に自社ビルを建てる」との言葉が現実になる日もそう遠くないのかもしれません。
オオクマ・ソリューション関西株式会社については下記リンクをご覧ください。