【働くキョウタナビト】有限会社ケネック 代表取締役社長 片岡 雅樹さん
[2018年2月6日]
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前職ではゴム製品を扱う仕事に従事していましたが、環境製品を扱ううち、ご自身で自由に開発したいと考え起業したのだそうです。
その頃、相談に乗ってもらっていた商工会の経営指導員に「事業資金の補助が受けられ、新たに商品開発をする上で役立つのではないか」と『経営革新支援法』の申請を勧められました。
『経営革新支援法』とは『中小企業等経営強化法』の前身の法律で、新たな事業を手がけ経営の向上を図る企業を支援する制度。申請したプランが都道府県知事の認定を受けると、事業資金の補助など様々な支援を受けることができます。
現在とは違い当時は主に特許及び特許に準ずる内容での事業を対象としており、審査は厳しくハードルの高い制度でした。書類の作成や審査に大変な労力を費やしましたが、経営指導員のサポートのもと、申請から半年後の平成13年に承認され、京田辺市内でも数少ない認定企業になりました。
創業の翌年に法人化し、有限会社ケネックを設立。事業面では、環境製品の開発と平行して前職の経験を活かした工業用ゴム製品の製造販売も手がけるようになり、以後主要事業は工業用ゴム製品に移行しました。現在ではゴム関連製品の他、プラスチック関連製品、フィルムと紙・布等を複合した製品や蓄光製品等様々な製品の企画・開発・製造と幅広く事業を展開しています。
「オリジナリティが出せた」というメッセナゴヤの展示ブース
一般企業は補助対象経費の1/2を補助するのに対し、認定企業は2/3と補助率が引き上げられたのです。
片岡社長はこの制度を利用し、展示会に単独で出展される決意をされます。
展示会自体は何度も経験されていますが、単独での参加は初めてのこと。
ゴム関連やプラスチック関連、蓄光製品の企画・開発・製造など幅広い事業をPRするには、スペース上制限のある共同出展では厳しいものがありました。
「今回の展示会の成果はすばらしいものでした。モニターを置き、製品の製造工程動画、商品の使用方法動画を流すなど見せ方を工夫し、京田辺市内の企業PR等自社のオリジナリティを出せるブースを作ることができました。
持ち込んだものは多くの企業さんに関心を持ってもらい、試作の依頼や見積など複数社との商談が現在も進行中です。
補助金の増額により、集合体の一角で出していた時と変わらない費用で出展することができたこと、『経営革新支援法認定企業』という対外的な信用力で商談に結び付けることができました。創業直後の申請は大変でしたが、よくぞ(認定を)取らせておいてくれたと思います。」
長い間実感することができなかった『経営革新支援法の認定企業という強み』。
メッセナゴヤ2017での単独出展で強く感じることができたのだそうです。
蓄光ブレスレット
片岡社長は日本刺繍・京都古知平の会の会員でもあります。昨年10月には日本刺繍による『宇治十帖展』を開催されるなど、日本刺繍の普及活動にも積極的に参加されています。日本刺繍を扱ったインテリアの開発や製造を手掛ける京都あすなろ工房の運営など、公私ともにお忙しい日々を過ごしていらっしゃいます。
頭の中では常に新事業のこと、京都あすなろ工房のこと等いくつもの取り組みが同時進行している様子が伺えます。
とはいえただのひらめきではありません。来年度進めたいと考えている事業は3年前から温めていたもの。画像にある蓄光のブレスレットは「5年前から頭の中にあった」と仰いますから、熟考を重ね試行錯誤を繰り返し、製品化されているのです。
片岡社長の頭の中にはまだまだたくさんのアイデアが詰まっており、具体化するタイミングを計っているのかもしれません。
もしかしたら今後思いがけないところで有限会社ケネックの名前を見かけるのでは?そんな期待が高まりまるようなお話でした。
※有限会社ケネックについて詳しくは下記URLをご覧ください。